瓦屋根の雨漏り修理(葺き直し)について

弊社は、度々、お客様から瓦屋根の修理、葺き直しについての相談を受けします。

「うちの瓦は割れてもいないし、ひび割れもしていないのに雨漏りが最近してきました。
どうしたらいいでしょうか」

先日、このような相談を受けました。

瓦は陶器で出来ているので、割れていなければ一生ものの商品です。
瓦自体は一生ものですが、雨漏りを防いでくれる下地に使うルーフィング(防水シート)は劣化するものです。このルーフィングの劣化による破れが、瓦は割れていないのに雨漏りする原因となっていることが多いのです。

ルーフィングは劣化するもの。
ルーフィングの劣化は屋根の外観を見るだけではわからない。

下の写真は瓦を外す作業をしているものです。
下地の色が少し黒ずんで見えるところがあります。ここから雨が染み込んで、瓦桟(瓦をひっかけて固定する下地)まで腐らせている状態です。このような状態を放置しておくと、下地材の腐食が進行して、瓦の重みに耐えられなくなり、屋根が大きくたわんでしまったり、最悪屋根が落ちることも考えられます。瓦が割れていなくとも、雨漏りは発生することがあるんです。

原因がルーフィングであれば、ルーフィングを貼り直せば雨漏りは直ります。しかし、ルーフィングを貼り直すには、まず瓦を屋根から移動させなければなりません(ルーフィングは瓦の下に下地材として貼られているものです)。この瓦の移動作業中に万が一瓦が割れたり、欠けてしまったらその瓦は使えません。

これが大問題なのです。

今現在、手に入る瓦であれば、瓦が割れたとしても補充出来ますが、廃盤商品の瓦でスペアーも無いとしたら、弊社のリスクがあまりにも高いためお断りする場合も御座います。もしスペアーの瓦が有り、工事が可能であったとしても、瓦荷下しや瓦の荷上げの作業には、細心の注意ををもって行わなけれがなりません。それには相当な緊張感が伴いそれらりの時間がかかります。

思い入れの有る瓦でしたら、弊社としても最大限ご協力致しますが、コストと機能性を考えたら新しい屋根材に葺き替える事もお考えいただければ幸いです。